普通の人は、とにかく心配しすぎますが、その1番の理由は「生存本能」にあります。
生存本能とは「生物が自身の生命を維持し、危険や脅威から身を守るための本能的な欲求や行動」であり、主な働きは3つ。
① 危険回避
② 生存維持
③ 種の維持
簡単に言えば、生物は死ぬリスクが少しでもあれば避けようとする強い働きがあるわけです。
ペンシルベニア州立大学の研究によると、不安障害(GAD)の人たちの心配ごとの91.4%は当たらないことがわかりました。
つまり、生存本能をメインとした「危険を避ける反応」によって、過剰に心配してリスクを避けようとしている、ということが科学的に証明されているんですよ。
その結果、
① 行動が止まる(回避)
・決断しない
・先延ばしする
・様子見を選ぶ
② 考え続ける(反芻)
・同じことを何度も考える
・結論が出ないのに思考だけ回る
③ 情報を集めすぎる(準備中毒)
・もっと調べる
・もっと学ぶ
・まだ足りないと言い続ける
④ 最悪を避ける選択をする(保守化)
・成長より安全
・挑戦より現状維持
・得より損回避
⑤ 一時的に安心できる行動に逃げる(代償行動)
・SNS
・食べる
・寝る
・どうでもいい作業
といった行動を取りがちになるんです。
“心配”に振り回されないために
まず前提として、「91.4%は心配しすぎ」という数字を頭に入れておいてください。
ほとんどの心配は起こらず、脳が過剰にリスク回避をしているだけにすぎません。
10回中9回は心配しすぎだと理解していれば、「これも心配しすぎかも」と捉えやすくなります。
具体的な対策を6つほど挙げると、
① 心配の感情を認めて受け入れる
「心配することじゃない!」と意地を張っても、心配は強まるだけです。まずは「心配してるんだな。そりゃ心配しちゃうよな。」という風に、自分の感情を認めて受け入れてください。
② 事実を見る
実際の数字を見ることも大事です。想定しているリスクはどれくらいの確率で起こるのか。ほとんどの場合は「割合の少ない悪い未来」をイメージしがちなので、事実を見て起こりうる確率の低さを認識しましょう。
(例)
・海外旅行中に亡くなる可能性は約0.005%以下
・スカイダイビングで亡くなる可能性は0.0004%以下
・バンジージャンプでなくなる可能性は0.0004%以下
③ リスクを避けた先の未来をイメージする
多くの人が「チャレンジした場合の未来で起こり得る心配事」ばかりを見ますが、それと同じように「チャレンジしなかった場合の未来で起こり得る心配事」を考える必要があります。
いわゆる「機会損失」というやつです。
具体的には、
・勇気や挑戦の心
・今経験できる機会
・お金を使えないストレス
・身体とメンタルの強さ
・自分や相手からの信頼
といったことを失っている未来をイメージするんです。そうすると、そっちの未来の方が心配になってチャレンジしやすくなります。
④ 取り返しがつくかどうかを考える
大体の心配は取り返しがつきます。転職が失敗してもまた転職すればいいし、海外移住が失敗しても帰国すればいい。結婚相手と上手くいかなければ離婚すればいいし、投資に失敗してもまた稼げばいいい。嫌われたら関係を断てばいい。
脳が危険回避のために必要以上に悪い状況をイメージしているだけで、ほとんどの心配には可逆性がある、つまり取り返しがつくんです。
もちろん取り返す手間はかかりますが、③で書いたように機会損失によって失うものと比較したらはるかにマシです。
なので、冷静に「失敗した場合、取り返しがつくかどうか」を考えてみてください。できれば数年、数十年の長期ベースで。ほぼほぼ取り返しがつきますから。
⑤ 心配事を避ける具体的な対策を考える
起こらないと分かっている心配事は心配しません。「いかにその心配事が起こらないか?」を考えれば振り回されにくくなります。
事実を理解するのとは別に、心配事が起こる確率を下げられる対策を考えることが大事です。このときに重要なのは、曖昧な対策ではなく「具体的な対策」を考えること。
たとえば「こうなったら〇〇さんに頼る、貯金が〇〇円切ったら途中でも辞める、アルバイトで月いくら稼げるか試算する」などなど。こういう対策を把握しているかどうかで、チャレンジへの気持ちが大きく変わります。
⑥ 心配事に振り回されない人たちの環境に身を置く
人の感情は伝播します。心配すると周りも心配し始めるのと同様に、まったく気にも留めていない人が近くにいると、「じゃあ大丈夫なのかも?」と思えるようになっていきます。
だからこそ、チャレンジやポジティブ思考が当たり前の環境に身を置くことで、心配する気持ちが少しずつ減っていくんです。
環境に影響されるからこそ、環境(特に人)を変えれば自分も大きく変われます。
凡人は「心配だなあ…」という気持ちに振り回され、対策を取らず、ひたすら保守的な思考と行動を繰り返します。
しかし、その保守的な生き方を5年10年続けた先の未来は、みなさんが思っている以上にしんどいものです。
実際に、数多くの相談を受けている中で、40代後半以降で心配心に振り回されてしまう人の未来は相当ハードモードです。
さらには未来がハードモードだけでなく、その年齢になると心配心を振り切るほどの気力・体力・マインドを手にいれる可能性も限りなく低いです。
だからこそ早めに心配心と向き合って、振り回されないようなマインドと行動力を手に入れてください。
